米は除去強調も 沖縄炎上ヘリが撒いた放射性物質の危険性

日刊ゲンダイ
米は除去強調も 沖縄炎上ヘリが撒いた放射性物質の危険性
(2017/10/17)
沖縄県東村高江区の民間の土地に、米軍普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリが不時着して炎上した事故で、米海兵隊は14日、ヘリの一部に放射性物質が使用されていることを認めた。健康被害を引き起こすことはなく、全量を除去したと説明しているが、住民には不安が広がっている。
CH53Eの「インジケーター」と呼ばれる計器には、放射性物質「ストロンチウム90」を収めた容器が装着され、回転翼中の空洞部分の圧力を検知している。
防衛省沖縄防衛局は放射性物質が飛散した恐れがあるとして、事故現場から約100メートル離れた場所で土壌や水の放射線調査を実施。暫定結果として「異常な値は検出されなかった」としたが、トンデモないウソが含まれている可能性がある。
■“内部被曝”で白血病や骨肉腫の恐れ
14日に沖縄防衛局と同じ場所を調べた琉球大の矢ケ崎克馬名誉教授(物性物理学)がこう言う。
「私の調査では、現場から1平方メートルあたり81ベクレルのベータ線が検出されました。事故によって撒き散らされた放射性物質がストロンチウム90だとすると、今回の事故は極めて深刻といえます。ストロンチウム90は透過力のあるガンマ線を放出しないため、確かに“外部被曝”の危険はそれほど高くありません。しかし、食物などを介して体内に取り込んで“内部被曝”してしまう可能性は十分ある。しかも、ストロンチウム90は、セシウムのように体外に排出しにくく、骨の形成部に集積しやすい特性があります。ごく少量でも、骨の中の造血細胞を破損し、白血病や骨肉腫を引き起こす恐れがあります。米軍も沖縄防衛局も、一刻も早く飛散した放射性物質の正式名称と具体的な量を明かすべきです」
事故後、米兵は放射能防護服にしっかり身を包み、機体の回収や土壌採取などにあたっていたという。
現場から数百メートル先には民家も学校もあるのに、よくぞ米軍は「健康被害なし」などと言い切れるものだ。しかも、いまだに正式に謝罪すらしていない。
12日に現場を視察した沖縄県の翁長知事は「悲しい、悔しい。沖縄にとって“国難”とはこういった状況だ」と憤った。安倍首相は北朝鮮よりも目の前にある国難を打破すべきじゃないのか。
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高江ヘリパッドの危険性は、建設前から言われていた。住民を蔑ろにするにも、ほどがある。