東電HD:新再建計画 会長「チャレンジング」新体制発足

東芝のチャレンジと、印象がかぶる。
毎日新聞
東電HD:新再建計画 会長「チャレンジング」新体制発足
2017年06月23日
 東京電力ホールディングス(HD)は23日の株主総会後の取締役会で、川村隆会長(日立製作所名誉会長)と生え抜きの小早川智明社長を中心とする新経営体制を正式に決めた。両首脳は同日夕、記者会見し、原発事業の社内カンパニー化を検討していることを明らかにした。再編を見据えていると見られるが、電力他社は消極的で、実現性は不透明だ。福島第1原発事故の費用負担や先の見えない廃炉作業など難題を抱え、新生東電は険しい船出となった。【片平知宏】
 福島原発事故の賠償や廃炉などの処理費用は約21.5兆円と見積もられている。その大半を賄う東電は新たな再建計画「新々・総合特別事業計画(新々・総特)」で年間5000億円の利益確保など収益力向上を打ち出したが、実現は容易ではない。川村会長は「新々・総特」について「ぎりぎり頑張ってできるか(どうか)という数字。チャレンジングだ」と述べ、ハードルの高さを認めた。
 東電は収益改善効果が大きい柏崎刈羽原発新潟県)の早期再稼働を望んでいるが、米山隆一知事ら地元は慎重な姿勢で、再稼働時期は見通せていない。川村会長は「スケジュールは決まっていないが、地元を訪問したい」と述べ、自ら米山知事らに理解を求めていく考えを示した。その上で「地元の意見を十分聞き、それに沿った形で最後は再稼働したい」と語った。
 また、川村会長は1970年代のオイルショックの経験や将来的に石油など化石燃料が枯渇するリスクなどをあげて「エネルギー源の多様化の観点からも原子力を残していくことは日本の国益に役立つ」と原発事業継続の必要性を訴えた。
 川村会長が過去にトップを務めた日立製作所は原子炉事業などで東電と多くの取引をしている。一部では「利益相反」の懸念が指摘されているが、川村会長は「問題が出ないようにできる」と反論した。(中略)
原発事業の社内カンパニー化を検討する理由について、小早川社長は「主体的かつ責任を持って遂行できる体制が必要だ」と語った。
 福島原発事故処理費用は今後も膨らむ可能性があるが、川村会長は「稼ぐ事業体に生まれ変われば、福島への責任が果たせる」と意気込んだ。川村会長と小早川社長は26日、福島県の内堀雅雄知事と面会して新体制の経営方針を説明する予定だ。
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