飯塚事件:血液型鑑定、検証せず…再審請求抗告審

死刑判決からわずか2年、再審申請中に死刑が執行された飯塚事件
足利事件では、この鑑定機関が、同じ方法でDNA鑑定した鑑定は、信憑性がないとして再審が認められた。
毎日新聞
飯塚事件:血液型鑑定、検証せず…再審請求抗告審
2017年02月01日
 福岡県飯塚市で1992年に女児2人が殺害された「飯塚事件」で死刑を執行された久間三千年(くま・みちとし)・元死刑囚(当時70歳)の再審請求即時抗告審の3者協議が1日、福岡高裁であり、岡田信裁判長は警察庁科学警察研究所科警研)の技官が実施した血液型鑑定の手法について検証しない判断を示した。
 事件では、被害女児2人の体内などから複数の人物の血液が混じった「混合血液」が見つかり、科警研の技官が血液型鑑定を実施。被害児童の血液型の他に久間元死刑囚と同じB型の血液が混じっていると結論付け、有罪認定の根拠の一つとされた。犯人の血液型はAB型と主張する弁護側は「技官の鑑定手法では犯人の血液型をB型と断定できない」として、別の専門家に鑑定手法の検証を依頼するよう求めていた。
 次回の3者協議は5月18日に予定され、実質的な審理を終える見通し。【吉住遊】
【転載終了】

【エキサイトニュース】
DNA鑑定秘話〜冤罪の可能性が高い「飯塚事件」の死刑執行を急いだのはなぜか?
《 死刑確定後、わずか2年。最大の疑惑は死刑執行だ。
 2008年10月17日、足利事件の冤罪を晴らすためにDNA再鑑定が報道される。だが、その1週間後の10月24日、森英介法務大臣(当時)が久間元死刑囚の死刑執行を発令した。飯塚事件の再審請求準備中の10月28日、死刑求刑からわずか2年余りという異例の早さで死刑が執行された。なぜか? 》

DNA鑑定の手法を、検証しなければ、再審の意味はあるまい。
また、久間元死刑囚が、犯人であるかについて、裁判において、犯人の性癖(小児性愛者でサディスト)との類似を示す証拠は、示されなかった、という指摘もある。