本当にここで安全に暮らせるのか? 避難解除の町の今 7

【週刊プレイボーイ】
2017年3月27日号
ご近所からもらった干し柿から400ベクレル!!
本当にここで安全に暮らせるのか? 避難解除の町の今

《前回からの続き》
福島県近隣のキノコ類め汚染されていると思われがちだが、群馬県産や栃木県産のものからはセシウムは出なかった

表=2016年に南相馬市民が市に持ち込んだ山菜、キノコ類で高い汚染が判明したもの
検体名 セシウム137と134の合計(単位はbq/kg)
測定日16年4月〜12月
イノハナ 8万2259.6
ユキノシタ 3298
タラの芽 1938
ミョウガ 207
タラの芽(ゆでた後) 543.6
どくだみ 148
フキ 125.4
タラの芽 104
葉わさび 99.9
フキ 75.3
ソバの実 62.6
イラ(ゆでた後) 59.31
シドキ(ゆでた後) 56.8
コゴミ 51.3
白菜の花 46.9

1μSvで起こる細胞の「複雑損傷」
では、小売店で売られている食品は大丈夫なのか。最近人気の高い「道の駅」などの産直店では、農家から直接持ち込まれてた野菜類が販売されている。
まず、南相馬市の産直コーナーがある店で地元産を中心とした野菜や餅など6品目を購入し、測定してみた。すると、4品目から最高11bq/kgのセシウムが検出された。
続いて、他県にも足を延ばし、栃木、群馬、茨城の産直店で野菜や米など14品目を購入して測定すると、茨城県の乾燥ヒラタケから87bq/kg、群馬県の乾燥マイタケから81.1bq/kgが出た。いずれも基準値は下回っている。
そうして取材を進めるなか、福島第一原発から近くはない地域で、食品汚染を不安視する声を聞いた。「シイタケ王国」と呼ばれる岩手県で、乾燥シイタケから400bq/kg近いセシウムが検出されたというのだ。測定した盛岡市に住む主婦(42歳)は、不安げにこう話す。
「今年2月に隣の滝沢市の産直で販売されている乾燥シイタケを測定したところ、373bq/kgという値がでました。これでも基準値以内といいますが、果たしてたべてよいものなのか。子供への影響が心配になります」
前述のように食品の基準は100bq/kgだが、乾燥ものはそれより上限が緩く、国の基準で、乾燥シイタケは570bq/kg、その他のキノコは400bq/kg以上が基準超えとなっている。
《転載続く》