184人以外にも未公表の甲状腺がん〜事故当時4歳も

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184人以外にも未公表の甲状腺がん〜事故当時4歳も
投稿者: ourplanet 投稿日時: 木, 03/30/2017 - 18:13
福島県民健康調査の甲状腺検査をめぐり、検査を実施している福島県医大は30日、これまで公表しているデータ以外にも、甲状腺がんと診断されていれた子どもが存在することを認め、ホームページに公表した。OurPlanetTVの取材によると、未公表の症例には、事故当時5歳未満の子が含まれているおり、検討委員会の議論にも影響を与えそうだ。
 公表されていなかったのは、2次検査でいったん経過観察となり、その後、甲状腺がんと診断された患者のデータ。データを取りまとめている福島県立医科大はこれまで、穿刺細胞診で悪性または悪性疑いと診断された子どもは185人(うち1人は良性と確定診断)と発表してきたが、これ以外にもがんと診断された患者がいることを認めた。
 医大の田中成省広報室長は、「保健診療へ移行後に見つかった甲状腺がん患者は、あくまでも一般の保険診療なので、センターでは把握していない」と述べ、データを公表してこなかったことについて、「県や検討委員会が決めたルールに従っているだけ」と釈明した。
 2500人のデータを除外
福島県が今年2月20日までに公表したデータによると、2次検査で保険診療に移行し経過観察となっているのは、1巡目1,260人、2巡目1,207人、3巡目56人で計2,523人にのぼる。これら経過観察中の患者は、医療費助成事業である「甲状腺検査サポート事業」やインターネットによるケアサポート事業の対象者には含まれる一方、甲状腺がんデータを把握するという最も重要な事業の対象からは除外していた。
 
 経過観察中の悪性腫瘍、2年前に議論
経過観察中に見つかった悪性腫瘍をめぐっては、2015年2月2日に開催された第5回甲状腺評価部会で議論になっている。当時、甲状腺検査を担当していた鈴木眞一教授は、「そういう症例があれば別枠で報告になる」と回答。「経過観察中に発見された悪性腫瘍」として扱われるとの認識を示していた。また保険診療部分のデータも、医大で経過を集積する必要があるとの見方を示していた。
 
(2015年2月2日 第5回甲状腺評価部会で鈴木眞一教授は「別枠で公表」と言及していた)
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