すでに2兆円のETF購入 海外勢も逃げ出す“狂気の日銀相場”

日刊ゲンダイ
すでに2兆円のETF購入 海外勢も逃げ出す“狂気の日銀相場”
(2017/4/21)
日銀の“爆買い”が激しさを増している。
株式市場は、シリア爆撃や北朝鮮ミサイル発射など悪材料ばかりが目立つ。ちょっとしたキッカケで暴落しかねないだけに、日銀の黒田東彦総裁が“買い支え”の指示を出しても不思議はない。
「それにしても異常な購入ぶりです。4月は17日までに5日連続でETF(上場投資信託)を購入しています。株価がそれほど下がっていなくても買ってきます。まさしく爆買いです」(市場関係者)
4月は19日まで計7回購入した。1日あたり725億円の購入で、合計額は5075億円。昨年の同期間と比較すると倍以上だ。
1〜4月では、16年は約8500億円だったのに、今年は何と2兆円を突破している。
日本株の売買で6割以上を占める海外投資家の動向を見ると、最近は売り越しです。外国勢は米経済の好調さを受け、日本株を売却し、米国株にシフトし始めているようです」(投資顧問会社エフピーネット代表の松島修氏)
海外投資家の「売り」を、日銀が必死に買い支え、株価を維持しているのが実情ということだ。
「海外勢は日本市場への不信感を高めています。決算をまともに発表できなかった東芝が、上場廃止にならないのはおかしいと感じている。そこに日銀のETF爆買いが加わった。海外投資家は、市場原理の通用しない歪んだ官製相場から逃げ出しています」(証券アナリスト)
大手証券の試算によると、日銀がETFを購入(年6兆円)すると、日経平均は30円(1回あたり)ほど上昇するという。購入額を6兆円に増額した昨夏以降、日銀はETFを63回購入している(19日まで)。引き上げ効果は1890円だ。
19日の日経平均終値)は1万8432円。“日銀効果”を差し引くと、1万6542円。これがホントの実力ということになる。
「日銀の審議委員2人が7月に退任します。退任する2人は金融緩和に懐疑的でしたが、新任する1人は積極派です。積極派の力が増すことになるので、ETF購入は加速する可能性が高い」(市場関係者)
ただし、日銀の買い支えには限界がある。その先に待っているのは大暴落か――。
【転載ここまで】
 政府は18日、日銀審議委員に、三菱UFJリサーチ&コンサルティング上席主任研究員の片岡剛士氏と、三菱東京UFJ銀行取締役の鈴木人司氏を充てる人事案を国会に提示