警視庁:警官が中学生に暴言 否認なら牢屋、人生終わり…

毎日新聞
警視庁:警官が中学生に暴言 否認なら牢屋、人生終わり…
2017年08月10日
 警視庁高井戸署の警察官が2015年、万引き事件への関与を疑って中学3年の男子生徒2人を取り調べた際、否認する生徒に「高校なんか行かせねえぞコラ」「否認すれば間違いなく牢屋(ろうや)に入れる」と暴言を吐き、自白を強要していたことが10日、分かった。
 生徒側からの申し立てを受け調査した東京弁護士会は同日、人権侵害に当たるとして同署に警告書を出した。警視庁は生徒の関与はなかったと認め既に謝罪。昨年12月、取り調べた警部補を警務部長注意、巡査部長を所属長注意の処分とした。
 弁護士会によると、当時2人は14歳と15歳。万引きをした同級生が「2人に万引きを強要された」と警察に話し、15年12月に高井戸署で任意の取り調べを受けた。15歳の生徒が親の勧めでICレコーダーを持ち込み録音していた。
 生徒側が10日に公開した音声などによると、警察官は「『二度としないから許してください』と言わない限り、高校に行けないぞ」「反省も何もないんだ。だったら(少年)鑑別でも少年院でもどこでもぶちこむしかないのかな」などと強い口調で繰り返した。
 2人とも否認したが、警察官が「向こう(14歳の生徒)は反省の言葉を言っている。(認めていないのは)てめえだけ」と15歳の生徒を追及する場面もあった。2人は一時、関与を認めさせられた。
 東京都内で記者会見した当時15歳の生徒の父親(44)は「録音を聞き返すとつらい気持ちがよみがえる」。当時14歳の生徒の父親(47)は「警察は同じようなことを絶対しないでほしい」と話した。
 警視庁の森本敦司生活安全総務課長は「取り調べで不適切な言動があったのは事実。再発防止に努める」と話した。(共同)
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