エネルギー基本計画:「原発」見直し、声高く 経産省慎重

推進派が宣伝する原発コストは、安全対策を過小評価し、バックエンド費用を無視した非現実的なもの。もんじゅや再処理工場のように、計画の何倍にもなった挙げ句、危険だから無理と、手の下しようのなくなった施設の廃棄費用は、いくらになるかわからない。
通常の原発廃炉費用や期間、放射性廃棄物の処分費用も、やってるうちに、何倍にもなるだろう。
毎日新聞
エネルギー基本計画:「原発」見直し、声高く 経産省慎重
2017年08月09日
 経済産業省は9日、総合資源エネルギー調査会経産相の諮問機関)の分科会を開き、国のエネルギー政策の方針を定めた「エネルギー基本計画」の改定に向けた議論を始めた。委員からは原発政策などの再検討を求める声が相次いだが、経産省は小幅改定にとどめたい考えだ。分科会は年度内に結論を出す。
 基本計画は、エネルギー政策基本法で3年ごとの改定が定められている。2014年に決定した現計画は、旧民主党政権が掲げた「脱原発」を転換し、原発を安く安定供給できる「ベースロード電源」と位置づけた。計画を踏まえ、政府は30年度の電源構成で原発の比率を20〜22%にすることを目指している。
 しかし、原発再稼働は進まず、経産省が分科会で提示した16年度推計の原発比率は2%にとどまった。30年度の目標は「絵に描いた餅」で、分科会では「今後も原発を使うなら、(再稼働と並行して)新増設や建て替えの議論もすべきだ」(橘川武郎東京理科大教授)などと、踏み込んだ議論を求める声が相次いだ。
 だが、世耕弘成経産相は「計画の骨格を変える段階ではない」と強調。経産省の消極姿勢について、ある自民党議員は「内閣支持率が低下する中、国民の反発が強い再稼働や新増設には触れたくないという政権の意向が働いているのだろう」と指摘する。
 福島第1原発の事故処理費用は膨らむ一方で、原発が「経済性に優れたベースロード電源」との位置づけにも疑義が生じている。一方、30年度の電源比率22〜24%(16年度推計は15%)を目指す再生可能エネルギーも、太陽光発電への偏重や電気料金の抑制が課題だ。エネルギー政策を巡る論点は多いにもかかわらず、経産省の消極姿勢で議論が深まらない懸念がある。【浜中慎哉】
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