フクシマ6年後 消されゆく被害 歪められたチェルノブイリ・データ

福島県健康調査により発見された小児甲状腺がんは、疑い含め184人。県の調査以外でも発見され、福島県以外の地域でも小児甲状腺がんは多発している。
国・福島県は、小児甲状腺がん多発が、放射線影響によるものではないと、言い続けている。
その根拠は、
1、増加時期ーチェルノブイリでは4〜5年後に甲状腺がんが増加
2、年齢層ーチェルノブイリでは事故時5歳以下の層に甲状腺がんが多発
3、被爆量ー福島県では被曝線量がチェルノブイリ被災地と比べてはるかに少ない
このチェルノブイリと比較しての三点は、放射線影響を否定するため、繰り返し主張されてきた。
しかし、それは広大なチェルノブイリ被災地と、時間軸の一部のみを取り上げたデータの歪曲・誤読であると、チェルノブイリ被災地に詳しいロシア語の専門家が論証する。
人文書院
フクシマ6年後 消されゆく被害
歪められたチェルノブイリ・データ
日野 行介 著 |尾松 亮 著
1,800円+税

出版年月日:2017/02/20
9784409241158

内容説明
この国がひた隠す「チェルノブイリの真実」とは?
福島原発事故後、多発が露見している甲状腺がん。だがこの国の為政者たちは、唯一の参照先である「チェルノブイリ・データ」を都合よく歪め、原発事故と健康被害の因果関係を否定する根拠として用いることで、強引に幕引きを図ろうとしている。気鋭のジャーナリストとロシア研究者が暴くこの国の暗部。
目次
序章 被災6年、見えない傷口
第1章 甲状腺検査に仕組まれた罠
第2章 歪められたチェルノブイリ甲状腺がん
第3章 日本版チェルノブイリ法はいかに潰されたか
第4章 闇に葬られた被害報告
第5章 チェルノブイリから日本はどう見えるのか
終章 チェルノブイリ・データの歪曲は続く
あとがき
【転載ここまで】

1について、チェルノブイリ被災地では、事故後2年目から発生し、増加していった。その年齢層は十代後半だった。
2について、チェルノブイリ被災地で、事故時5歳未満の子どもたちが、甲状腺がんを発症し始めたのは、事故後10年近くが経過してから、爆発的に増えた。
3について、チェルノブイリ被災地には、セシウムストロンチウムなど、長期の放射性物質を対象にした汚染レベルに応じた区分があるが、放射性ヨウ素半減期は8日、2ヶ月も経つと消えてしまうため、比較できるデータはない。