【ふるさとを返せ 津島原発訴訟】「福島に帰れ」「あだ名に『税金泥

【転載の続き】
テレビの報道をちゃんと聞かないと、3800万を私1人がもらったと誤解してしまう人がいるんです。ふるさとを追われた私たちは賠償金をもらって当たり前なのに、ほんのわずかな金に対してもカネ、カネと言われる」。
 住宅の無償提供打ち切りで市営住宅への入居を希望する避難者の前に、大きな壁が立ちはだかった。「市営住宅に入る要件に「地元の2人以上の保証人」というのがあるんです。避難して来て誰も知り合いなどいないのに、保証人を2人も見つけなきゃいけないなんて、これは大変な事です」。理解ある地元県議の協力も得て行政と何度も交渉した。ほとんどの避難者が新たな住まいを確保する事は出来た。「一応、出来ました。でも好き好んで避難したわけでは無いのに、何でこんな仕打ちを受けないければいけないのか。許せません」。前復興大臣の発言など論外だ。
 群馬訴訟の原告たちは控訴。東京高裁に場を移して裁判は続く。周囲の偏見や差別はもうこりごりだ、と原告は大幅に減って70人になる。「皆さんより半歩早く高裁で闘う事になりました。本当に頭に来ちゃうことばっかり。私たちの訴えがまっとうに通る社会をつくるのは至難の業だと思うが、未来の子どもたちのために力を尽くさなければいけない。御一緒に頑張っていきましょう」と丹治さんは締めくくった。 
「裁判官による現地検証が必要。来春を目標に弁護団で特別チームをつくって準備を進めている」と語った白井劍弁護士
【「来春にも現地検証を」】
 原告団総会では、今野秀則さんが原告団長に再任された。「ふるさとは荒廃が進んでいる。国は、帰還困難区域の一部だけを除染して済まそうとしている節がある」と、原状回復を改めて求めて行く決意を語った。浪江町議でもある馬場績さんは「前回期日での更新弁論で、東電は『もう賠償金は支払った。1人1450万円も払ったから十分だ』と主張した。国も『過失責任は無い。津波予見も原発事故を防ぐ事も出来なかった』と開き直っている。許せない」と怒りを口にした。

 弁護団の白井劍弁護士は「地道に働きかけて世論を喚起するする事が必要だ」と法廷外での活動の重要性を説明。来年3月までの口頭弁論期日が決まっているが、「早い段階で裁判官に実際に津島に足を運んでもらいたいと考えている。原告本人尋問の前に実施すれば、裁判官の理解が深まるはずだ。
【転載続く】