【山林火災と放射性物質】やはり二次拡散あった。「ちくりん舎」のリ

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そのため、青木さんは「瞬間的な高濃度のプルーム(放射能雲)は平均化されて見えなくなる可能性がある」と指摘。県の測定は数時間のため、さらに高濃度の飛散をキャッチ出来ていない可能性がある。予防原則に立って、安易に「周辺環境に影響が及んでいる事実は一切ありません」などと断言するべきでは無かったのだ。
 放射性微粒子の健康影響については、井戸謙一弁護士も5月24日に開かれた「子ども脱被ばく裁判」の口頭弁論( http://taminokoeshimbun.blog.fc2.com/blog-entry-162.html )で、「土壌に含まれる放射性微粒子が風で再浮遊し、それを空気と一緒に体内に取り込んでしまう」、「約2マイクロメートルの『セシウムボール』に約20億個のセシウム原子が含まれていると考えられている。1個のセシウムボールを取り込むだけで十分にガンの原因となり得る。空間線量だけで被曝リスクを考えるのは間違いで、土壌汚染のリスクを重視するべきだ」などと危険性を陳述している。
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(上)「ちくりん舎」は「空間線量では、空気中の粉塵に含まれる放射性物質の微粒子の存在は確認出来ない」と指摘する
(下)しかし福島県は、空間線量に変動が無い事を理由に「周辺環境に影響が及んでいる事実は一の時点で言い切ってしまった
【国の調査、間もなく公表】
 十万山の山林火災を巡っては、林野庁を中心とする調査チームが5月17日と18日に現地入り。間もなく結果が公表される見通しだが、ここでも空間線量の測定が中心。立木の樹皮に含まれる放射性物質の濃度を燃えた部分と燃えていない部分との比較などは調べるが、大気中への飛散の有無については調べない。林野庁は「火災現場が国有林のため、焼失被害の程度を確認するのが主になる」と認めている。参考データとはなり得るが、二次拡散が無かったと言い切るだけの材料にはなりにくい。
 また福島県放射線監視室を中心として、JAEA(国立研究開発法人日本原子力研究開発機構)、国立研究開発法人国立環境研究所福島支部(三春町)と山林火災による環境への影響の有無を調べるという。浪江町では山林火災後に5月に99ミリ、今月に入って42.5ミリの雨が降っており「土砂流出による放射性物質の拡散が無いかも調べる」(放射線監視室)。
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