政府の言葉と逆行 米軍機の騒音5年で12倍 沖縄・高江、オスプレイ

オスプレイの騒音は、高江の住民に、明らかな健康被害を及ぼしている。
沖縄タイムス
政府の言葉と逆行 米軍機の騒音5年で12倍 沖縄・高江、オスプレイ配備後
2017年10月4日 05:52
 昨年末までに集落を囲むように六つのヘリパッドが造られた東村高江区の牛道集落で、米軍機による60デシベル以上の騒音回数が過去5年間で12倍超と激増していることが沖縄防衛局の調べで分かった。東村のほか宜野座、名護、伊江島など基地周辺の主な5地点のうち伊江島を除く4地点でも増加している。MV22オスプレイの県内配備から5年。政府は沖縄の基地負担軽減のため、「できることは全てやる」(菅義偉官房長官)とするが、北部地域では逆行する実態が浮き彫りになった。
伊江島、名護、宜野座でも軒並み増加
 防衛局によると高江の牛道集落では、2012年度の騒音回数が567回から16年度には6887回と増えた。夜間(午後7時〜翌午前7時)では、102回から1664回と16倍超になっている。特に14年度の1474回から15年度は4216回と大幅に増加。これには15年2月に運用が開始された、集落に最も近いN4地区ヘリパッドでの訓練が関係しているとみられる。
 民間地上空でのつり下げ訓練が繰り返される宜野座村城原区では、14年度から16年度にかけて約1・5倍増加。カラオケ店内に相当する90デシベル以上の夜間の騒音回数は、45回から169回と3・7倍に増えた。
 名護市も辺野古、許田などは近隣区含めて増加傾向で、ほぼ同じ騒音回数で推移している。
 北部訓練場の過半返還や普天間飛行場の名護市辺野古への移設で「県内の基地負担軽減につながる」と繰り返す政府だが、すでにヘリパッドが建設された東村高江を始め、北部地域全体で騒音が増えている。
 7月には新たに完成した高江ヘリパッドN1、H地区でオスプレイの離着陸が始まった。さらに100機のオスプレイが駐機可能とされる辺野古新基地が建設されれば伊江島、高江、宜野座村城原を結ぶ三角形のエリアを中心に騒音被害の増加、拡大が懸念される。
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